病気やケガをしたとき
立替払いをしたとき

あとで払い戻しを受けることができます

健康保険では、保険医療機関の窓口に保険証を提示して診療を受ける現物給付が原則ですが、やむを得ない事情で現物給付を受けることができないときや、治療のために装具が必要になったときなどは、かかった医療費の全額を一時立替払いし、あとで請求して療養費(被扶養者の場合は家族療養費)として、払い戻しを受けることができます。

療養費は、支払った医療費が全額払い戻されるわけではありません。被保険者や被扶養者が保険医療機関で保険診療を受けた場合を基準に計算した額(実際に支払った額が保険診療基準の額より少ないときは、実際に支払った額)から一部負担金相当額を差し引いた額が払い戻されます。また、健康保険で認められない費用などは除外されます。

急病のため、保険証なしで受診したとき

旅先で急病になったりした場合などで保険証をもっていないときは、とりあえず医療費の全額を自分で払わなければなりませんが、あとで健康保険組合に申請して払い戻しを受けることができます。これを「療養費」といいます。

払い戻される額は、健康保険で認められている治療方法と料金に基づいて計算した額の7割相当額です。この場合、実際にかかった費用の7割が給付されるとは限りません。

いずれにしても、療養費を請求するときは領収書(原本)が必要ですから、必ずもらっておいてください。

手続き

立て替え払いをしたときは、下記の書類に必要事項を記入し、領収書(原本)等を添えて、会社経由にて申請してください。
手続書類:
  • 療養費支給申請書
  • 診療報酬明細書(レセプト)の原本

    ※傷病名、薬剤名、検査名等の記載があるもの。
    診療報酬明細書(レセプト)と診療明細書は異なる書類です。
    なお、発行については医療機関にお尋ねください。

  • 領収書(原本)

古い健康保険証(国民健康保険や前職の健康保険証等)で病院に掛かったら

新しく加入した会社で健康保険証の発行が手続き中であるため、古い健康保険証を返さずに持っていたのでその保険証を使ってしまうと、前に加入していた保険者(協会けんぽや健康保険組合、国民健康保険の場合は市区町村)から医療費の返還請求書が送られてきます。その場合、返還請求額を銀行等でお支払い後、当組合に療養費の申請をしてください。

手続き

下記の書類「療養費支給申請書」に必要事項を記入し、領収書(原本)等を添えて、会社経由にて申請してください。
手続書類:
  • 療養費支給申請書
  • 前の保険者から届いた診療報酬明細書(レセプト)
  • 前の保険者に支払った領収書(原本)

新しい保険証がまだ手元にない時
新しい保険証がまだ発行されてない時は、全額医療費負担をしてから後で当組合に療養費の支給申請をするか、同月内であればかかった医療機関に新しい保険証を提示すれば7割分が返還されます。

コルセットなどの治療用装具を作ったとき

保険医が治療上必要であると認め、医師の指示により装具製作者が作成したものに限られます。

「治療のため」の装具が対象ですので、日常生活や職業上必要とされるものや、美容を目的としたものは給付の対象となりませんし、症状固定後に装着したものも対象になりません。また、使用期間に規定(障害者自立支援法の「購入基準」より抜粋)がありますので、同一の装具を使用期間内に申請されても支給対象外となります。

2018.8.1以降受付分から、申請する場合は、作成した装具の写真等を添付してください。 ただし、小児用弱視等の治療用眼鏡、リンパ浮腫治療のための弾性着衣、義眼の申請については、写真、装具作成確認書、同意書の提出は必要ありません。 なお、詳細については、こちらをご覧ください。

手続き

下記の書類に必要事項を記入し、領収書(原本)等を添えて、会社経由にて申請してください。
手続書類:

払い戻される金額

健康保険の給付の範囲内で算定された額の7割(小学校就学前の乳幼児は8割。70歳以上75歳未満の方は、8割または9割。ただし、一定所得以上の方は7割)

小児弱視等の治療で眼鏡やコンタクトレンズを作成したとき

平成18年4月1日から、9歳未満の小児用の治療用眼鏡・コンタクトレンズの購入について、健康保険が正式に適用されることになりました。

支給対象

「小児の弱視、斜視及び先天白内障術後の屈折矯正の治療用として用いる眼鏡及びコンタクトレンズ」 が支給対象となります。近視や乱視などの、単純な視力補正のための眼鏡、また、斜視の矯正等に用いるアイパッチ及びフレネル膜プリズムについては支給対象外です。医師から眼鏡装用の指示が出たら「健康保険の対象となるか」を確認してください。

対象者

9歳未満の被扶養者。

手続き

下記の書類に必要事項を記入し、領収書(原本)等を添えて、会社経由にて申請してください。
手続書類:
  • 療養費支給申請書
  • 療養担当に当たる保険医の治療用眼鏡等の意見書作成指示書等(原本)
    (「治療用眼鏡等の作成指示書」に視力等の検査結果が明記されていない場合には、視力等の検査結果のわかる写し)
  • 治療用メガネ等を作成、購入した際の領収書(原本)

    領収書の記載について

  • あて名は受診者名(お子さんの名前)を記載してもらう
  • 「弱視治療用眼鏡代金(フレーム○円、レンズ○円)」など、具体的な但し書きをしてもらう
  • 金額は税込みの実際の購入金額を記入してもらう
  • 医師の意見日以降のもの

支給対象額

治療用眼鏡等の療養費支給額は「療養費の支給基準」に示された価格に1.06を乗じた額を上限とし、実際支払った金額の7割が給付されます。ただし、義務教育就学前は、8割給付となります。

「義務教育就学前」とは、満6歳になった日以降の最初の3月31日まで

上限額
(令和6年4月1日以降)
上限
(令和6年3月以前)
眼鏡 (38,200円×1.06)=40,492円 (36,700円×1.06)=38,902円
コンタクトレンズ
(1枚あたり)
(13,000円×1.06)=13,780円  (15,400円×1.06)=16,324円 

支給対象となる購入額に上限があります。

治療用眼鏡:40,492円、コンタクトレンズ:16,324円(オプション・別途加工代等は支給対象外です)

給付例(上限額未満)

3歳の被扶養者が20,000円の治療用眼鏡を購入した場合
20,000×0.8=16,000 給付額 16,000円

給付例(上限額以上)

3歳の被扶養者が50,000円の治療用眼鏡を購入した場合
40,492×0.8=32,394 給付額 32,394円

更新について

  • 5歳未満の小児に係る治療用眼鏡等の更新については、更新前の装着期間が1年以上ある場合のみ、療養費の支給対象となります。
  • 5歳以上の小児に係る治療用眼鏡等の更新については、更新前の装着期間が2年以上ある場合のみ、療養費の支給対象となります。
作成年齢 療養費支給申請が可能
5歳未満 前回申請(作成日)から1年以上経過
5歳以上 前回申請(作成日)から2年以上経過

四肢のリンパ浮腫治療のための弾性着衣等を購入したとき

四肢のリンパ浮腫治療のため、医師の指示のもとに購入する弾性着衣(弾性ストッキング弾性スリーブ、弾性グローブ、弾性包帯)が療養費の支給対象となります。

支給対象となる疾病

リンパ節郭清術を伴う悪性腫瘍の術後に発生する四肢のリンパ浮腫(悪性黒色腫、乳腺をはじめとする腋窩部のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍、子宮悪性腫瘍、子宮附属器悪性腫瘍及び膀胱をはじめとする泌尿器系の骨盤内 のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍)

支給申請費用の上限

弾性着衣の種類 弾性着衣の条件 上限額 1回の購入限度数 再申請
弾性ストッキング 30mmHg以上
ただし、医師の特別な指示がある場合は20mmHg以上
28,000円
(片足用の場合は25,000円)
洗い替えを考慮し、装着部位ごとに2着 前回購入時から、6カ月以上経過していることが必要
弾性スリーブ 16,000円
弾性グローブ 15,000円
弾性包帯(※) - 上肢  7,000円
下肢 14,000円

弾性包帯は弾性ストッキング、弾性スリーブ、弾性グローブが使用できないと医師が認めた場合に限り支給対象となります。

支給額の計算例(一部負担金の割合が3割の場合)

1着35,000円の弾性ストッキング(両足用)を2着購入した場合の支給額
⇒ 28,000円×2着×7割=39,200円

1着20,000円の弾性ストッキング(両足用)を1着購入した場合の支給額
⇒ 20,000円×1着×7割=14,000円

手続き

下記の書類に必要事項を記入し、領収書(原本)等を添えて、会社経由にて申請してください。
手続書類:
  • 療養費支給申請書
  • 医師が発行する弾性着衣等装着指示書の原本

    着圧が20mmHg以上30mmHg未満の場合は、装着が必要 な理由が明記されていること

    弾性包帯の場合は、包帯の装着が指示されている理由が「特記事項欄」に記載されていること

  • 領収書(原本)

    医師の意見日以降のもの

移送費を受けられるとき

病気やケガのために移動困難な患者が、その病気やケガについて必要な保険診療を受けるために、医師の指示で一時的・緊急的に移送された場合は、その費用を立替え払いし、次の3つの要件を満たしていると健康保険組合が判断したときには「移送費」として健康保険組合から支給されます。

支給要件

  • 適切な保険診療を受けるためのものであること
  • 患者が移送の原因となった疾病負傷により、移動を行うことが著しく困難であること
  • 緊急その他止むを得ないこと

具体的事例

  • 負傷した患者が災害現場等から医療機関に緊急に移送された場合。
  • 離島等で疾病にかかり、又は負傷し、その症状が重篤であり、かつ、傷病が発生した場所の付近の医療施設では必要な医療が不可能であるか又は著しく困難であるため、必要な医療の提供を受けられる最寄の医療機関に移送された場合。
  • 移動困難な患者であって、患者の症状からみて、当該医療機関の設備等では十分な診療ができず、医師の指示により緊急に転院した場合。

支給額について

最も経済的な通常の経路および方法によって移送された場合の費用で算定した額の範囲内での実費を支給します。なお、必要があって医師等の付添人が同乗した場合のその人の人件費は、「療養費」として支給されます。

手続き

下記の書類に必要事項を記入し、領収書(原本)等を添えて、会社経由にて申請してください。
手続書類:
  • 移送費支給申請書

    医師の証明が必要となります。

  • 移送に要した費用の領収書(原本)

輸血の生血代について

輸血を受けるときの生血代も立て替え払いとなり、健康保険組合から払い戻しを受けられます。

手続き

下記の書類に必要事項を記入し、領収書(原本)等を添えて、会社経由にて申請してください。
手続書類:

はり、きゅう、マッサージにかかったとき

はり・きゅう・あんま・マッサージを受けたときは、施術所等の窓口で、いったん、費用の全額(10割)を支払い、そのあと、1ヵ月分をまとめて請求してください。審査後、療養費として定められた基準に従い、自己負担割合に相当する額を控除した金額が支払われます。

なお、審査に必要な内容について、お問い合わせさせていただくこともありますので、ご協力をお願いいたします。

はり・きゅうの施術を受ける場合

慢性病であって、医師による適当な治療手段がなく、医学的な見地からはり・きゅう施術を受けることに医師が同意した場合のみ、療養費として申請ができます。

一つの傷病に対して、①病院(医科)と②はり・きゅう、②はり・きゅうと③柔道整復師など両方に受診した場合は、どちらか一方のお支払いとなります。

▼対象となる主な症状

神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症 等

▼医師の同意について

はり・きゅう療養費の申請には、医師の同意が必要です。同意書の有効期間は、同意日より最長6ヵ月です。同意日が15日以前の場合は、当該月の翌々月の末日まで、同意日が16日以降の場合は、当該月の6ヵ月後の末日までとなります。

さらに、施術を続ける場合は、改めて医師の同意を得てください。同意を得ていなかった場合は、給付できませんので、ご注意ください。

手続き

下記の書類に必要事項を記入し、領収書(原本)等を添えて、会社経由にて申請してください。
手続書類:
  • 療養費支給申請書
  • 施術者が発行する治療内容が記載されている療養費支給申請書(原本)
  • 保険医の施術同意書
  • 領収書(原本)

あんま・マッサージ等の施術を受ける場合

医療上必要と医師が認めたうえで行われたあんま・マッサージのみ、療養費として申請ができます。

筋麻痺の緩解措置としての手技や、関節拘縮・筋萎縮等により、制限されている関節の可動域の拡大と筋力増強を促すマッサージが対象となります。疲労回復や慰安を目的とした、疾病予防のマッサージ等は支給対象となりません。

あんま・マッサージ・指圧師の施術を受ける場合は、一定期間ごとに医師の診察が必要です。長期間に渡って漫然と施術を受けることのないよう、注意してください。

▼対象となる主な症状

脳血管障害等の麻痺による半身麻痺・半身不随 等

▼医師の同意について

あんま・マッサージ療養費の申請には、医師の同意が必要です。同意書の有効期間は、最長6ヵ月です。ただし、変形徒手矯正術を受ける場合は、毎月同意が必要です。

▼往療料について

往療料(往診料)は、歩行不可能な場合のみ給付されますが(医師の同意が必要)、定期的もしくは計画的な施術の場合は認められず、自費となります。

手続き

下記の書類に必要事項を記入し、領収書(原本)等を添えて、会社経由にて申請してください。
手続書類:
  • 療養費支給申請書
  • 施術者が発行する治療内容が記載されている療養費支給申請書(原本)
  • 保険医の施術同意書
  • 領収書(原本)